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高森明勅
2016.5.3 07:57

立憲主義なら憲法改正

近来、立憲主義の大切さを強調する意見を、よく見かける。

それが本心からなら、実に結構。

立憲主義の前提は、“憲法の権威”を守ること。

その為には、憲法自体に憲法の権威を損なう部分があれば、
立憲主義の立場から憲法を改正する必要がある。

日本国憲法の場合はどうか。

第9条は、憲法が機能する為に欠かせない国家それ自体の存立を
損なうか、
又は他国(具体的にはアメリカ)の軍事力に依存する
(
それによって主権をその国に譲り渡す)以外の選択肢を国家に
与えないという、重大な欠陥を抱える。

つまり第9条が維持される限り、憲法より“上位”に「
日米地位協定」
「日米防衛協力のための指針」といった、
条約ですらないもの
(条約なら国会の承認が必要)
が居座り続けることになる。

明らかに立憲主義に反する。

よって、真に立憲主義を貫こうとすれば、憲法改正は不可避だ。

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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